2018年7月例会① 第33回平和集会(札幌)に参加

1937年7月7日、中国・北京郊外の盧溝橋付近で夜間演習中の日本軍が中国軍に攻撃されたとした盧溝橋事件をきっかけに、日本は1945年の敗戦まで侵略戦争を推し進めてきました。

盧溝橋事件から81年目の7月7日、「今、選び取る憲法9条」をテーマに「第33回7・7平和集会」が行われました。会場いっぱいの171名が参加し、北広島九条の会からは14名が参加しました。(毎年、札幌で行われている平和集会に、北広島九条の会は例会の位置づけで参加しています)

集会実行委員長の今橋直さん(青年法律家協会)が開会の挨拶を述べ「今、民主主義の根幹を揺るがす事態が次々に起こっています。私たちは早急に何をしていけばよいのかを、本日の集会で考えあいたい」と呼びかけました。

最初に現職の中学校教師の平井敦子さん(子どもと教科書北海道ネット21)からの特別報告①がありました。テーマは「道徳の教科化で現場は今」


平井さんは「今までも道徳の授業は、副読本を使っていました。年間35時間という授業時間数も変わりません。何が変わったかというと、道徳が『教科』に格上げされることになり、これまで現場の教員が選んでいた副読本を教育委員会が選ぶことになりました」と言います。

 

そして「いじめ問題が頻発し、これに端を発して道徳の教科化が図られました。政府が現在国民いじめをし、過労死問題が解決されずにいる中で、子どものいじめ問題に首を突っ込んできても何の好転も望めません。それどころか、道徳を成績表で評価する、個々人の心の在り様に政府が介入する、これは政府が意図する都合のよい人間像に児童・生徒をあてはめようとするものであるということに私たちは危機感を持っています」と現場の教師の苦悩を語りました。

次に法政大学教授の山口二郎さんが「憲法と民主主義の危機を乗り越える」というテーマで講演を行いました。


「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の世話人でもある山口さんは、戦後日本の出発点と戦後日本の枠組みについて振り返りながら、今、日本政治が大きな危機に直面していることについて詳しく語りました。そして「アベ化」と言われるアベ政治を「自己愛の強い幼児的リーダーシップの跳梁跋扈」「批判に対する耐性の消滅」「虚言・デマをためらわない。ウソがばれても恥ずかしくない」「事実と虚構の区別ができない反知性」と特徴づけました。


安倍政権の下で進む憲法と民主主義の危機に対して「憲政と平和国家を取り戻そう」と呼びかけ、2019年参院選では野党と市民の共同を強め、改憲勢力が占める3分の2を割るたたかいが必須であると述べました。



特別報告②として「植村裁判を支える市民の会事務局長」の七尾寿子さんから「歴史修正主義を許さない~植村裁判判決へ~」の訴えがありました。
札幌地裁での判決が11月9日になったと報告されました。


最後に、「第33回7・7平和集会声明」が本庄十喜さん(北海道歴史研究者協議会)から読み上げられ、満場の拍手で確認しました。