「盧溝橋事件から86年 第38回7.7平和集会」

 「第38回7.7.平和集会」に参加して、飯塚正樹さんの講演を伺ってきました。
 飯塚さんは、現在江別高校定時制に社会科教師として勤務され、北海道高等学校教職員組合の副委員長を勤めていらっしゃいます。

 
 簡単な自己紹介の後、定時制4年間の授業を通して世界や日本の歴史と現在の課題を「平和」「人権」の視点から学び、「国際化の時代に生きる市民・主権者としての知識や考え方を身に付ける」ことをめざしてきたというところからお話が始まりました。

 憲法学習を基礎とした政治教育・歴史教育の重要性をあらためて意識するようになったのは、2016年度から選挙権年齢が18歳に引き下げられたことだったそうです。
 その際、「主権者教育」が強調されるようになり、高校生全員に総務省が作成した冊子が配布されました。その内容に不安や疑問を感じたそうです。あらためて「日本国憲法」を精読し、憲法学習を基礎とした「主権者教育」を自分なりに組み立ててみようと考えたそうです。それも、日々の授業だけでなく、総合学習や見学旅行などの行事、防災教育などあらゆる教育活動を総合的に組み立てていこうと考えたそうです。そこから、安保法制や憲法9条、同時多発テロやイラク戦争そして安保三文書の閣議決定についてなど、多岐にわたってお話されました。
 授業や様々な活動での生徒の取り組み、反応、感想などのお話を伺いました。


 1時間余りのお話の後、質疑の時間がありましたが、その回答を含めて飯塚さんがおっしゃりたかったのは、当事者としての主権者をいかに育んでいくかということだったと思います。選挙権を行使するだけでは主権者と言えません。当事者として考え行動する市民を育てることが「主権者教育」なのだと思いました。
 その際大切なのは、「教える」というよりも「ともに学びともに考える」ことだと思います。そうすることで、生徒の意見はしばしば変わるけれども次第に自分の中に軸のようなものができてくると話されていました。
 また「労働」や「権利」についても言及されるなかで、学校現場の勤務状況を見ていると、教員自身が「権利」というものをきちんと理解していないのではないかと感じることがあるともおっしゃっていました。
 「主権者」として問われているのは、若者というよりも私たち自身ではないかと思いながらお話を伺いました。