2019年6月例会  「東アジアを平和・協力・繁栄の地域にー現状と課題ー」

6月8日(土)団地住民センターにおいて、18名の市民の皆さまの参加で、第74回例会を開催しました。

3月・4月の例会では、植民地支配下から現代までの朝鮮半島と日本、アメリカとの歴史的関係を学びました。2回の例会での学びを通じて、大きく東アジアの平和を見据えた発想・運動が大切であるという思いを共有しました。

そこで、今回の例会では、「東アジアを不戦、平和、協力、繁栄の共同体に」の提案を行い、国際的な活動も行っている北海道AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ)連帯委員会理事長の伊藤悳夫(とくお)さんを講師にお話を伺いました。
以下に、講演の概要を記します。


戦後の冷戦時代、世界は軍事同盟による対決となり、国連が機能不全に陥る状況が続きました。
しかし、20世紀後半、旧植民地諸国は独立・民族運動を発展させ、「大国の横暴を許さない」大きな流れをつくります。民族自決権を得た国々は、「非同盟運動」(大国主導の軍事同盟に加わらない)を1961年に25カ国で発足させ、国連憲章にもとづいた公正で平和な国際秩序の実現のため連携を強化しています。現在、非同盟諸国は、国連加盟国の6割を超え大きな発言権を持ちつつあります。


また、アジア・アフリカ・ラテンアメリカでは、平和共同体地域が生まれています。これは、民族や政体も多様な国々が互いの主権を尊重しながら話し合いにより平和と発展を築くための枠組みです。加えて、国連の承認する「非核地帯」も拡大しています。


戦後74年、このような「戦争のない平和の秩序」をつくる努力が世界でなされてきている今、東アジア(北東アジア)に平和共同体をつくることが、喫緊の課題であると伊藤さんは訴えます。


東アジアには、核保有国、覇権主義、未解決の領土問題などが存在し。また軍産複合体に支えられたトランプ政権の外交政策は予断を許さないものがあります。しかし、国際世論、韓国の変化、2度の米朝会談による緊張の緩和などで展望がみえてきました。


ASEAN(東南アジア諸国連合)の取り組みに学び、東アジア友好協力条約を締結し、東アジアに平和の共同体を作ることを私たちは求めています
日本政府には、憲法をいかしたアジア外交を中心に据え、話し合いによる紛争の解決を求めます。その際、侵略戦争と植民地支配の反省は、アジア外交に取り組む大前提としなければなりません。
そして、私たちは、非核・非同盟の国際連帯と市民運動により東アジアの平和共同体の実現に向かって奮闘を続けます。


講演の詳しい内容は、レジュメ(PDF)とスライド(PDF)をご覧ください。


<ホームページ担当者より>
昨今の不安を煽るような日本の報道に惑わされないためにも、世界に目を向けることが大切であることを学びました。非同盟運動についていえば、世界の人口70億人、国連加盟国193カ国のうち、非同盟構成国は120カ国(他にオブザーバー諸国17カ国)、人口にして57億人に達しています。非同盟運動は今、国際社会の本流となっており、世界の平和にとって希望となっている大きな運動と言えるのではないでしょうか。

「世界を知って、日本国憲法を守り生かし、世界の平和をめざそう」と55年間活動を続けてこられたAALAでは、国際署名の活動を行っています。皆さまのご協力をお願いします。

日本AALAは非同盟諸国首脳会議に日本で唯一参加できる組織です。
日本AALAのホームページはこちらからご覧いただけます。