2021年8月例会  「今年はどんな年①~女性参政権実現75年」

8月7日(土)団地住民センターにおいて、第83回例会を開催しました。

講演のテーマは、「今年はどんな年 ①~女性参政権実現75年」

総合女性史研究会に所属されている講演者の岸伸子さんは、社会運動や労働運動の歴史に関心を持たれ、特に女性の権利の歴史を研究してこられました。様々な運動をどう引き継いでいくのかを考える機会になればということで今回の講演を引き受けてくださりました。


次のようなお話をされました。

 今年は日本で女性参政権実現75年、英米独ソなどの国で女性参政権が実現してから約100年にあたります。日本国憲法は押しつけだという声がありますが、この憲法は世界の人権の歴史の中で成立したものであり、女性参政権も敗戦によって突然実現したというものではなく、明治以来の様々な運動の積み重ねが背景にありました。
 自由民権運動を背景に明治憲法が成立し国会が開設されましたが、女性の権利は認められませんでした。さらに、集会及政社法や治安警察法によって女性の政治参加は認められませんでした。これに対し、女性の政治参加を求めて治安警察法の改正を求める運動、さらには女性参政権を求める運動が広がり、それを背景に敗戦を機に女性参政権が実現しました。

 
 今年はシロタ・ベアテ・ゴードンさん(GHQの女性スタッフで「両性の平等」を定めた日本国憲法第24条の生みの親といわれています)没後9年にあたり、彼女が来日した際の講演の録音も聴かせていただきました。ゴードンさんは2000年5月に来日した際には、参議院憲法調査会の参考人として「日本国憲法の背景には進歩的な男性と少数の目覚めた女性の動きがあった。国民の抑えつけられていた意思を表していたから新憲法は歓迎された。押し付けられたというのは正しくない。」と述べられていたということです。


 講演後の質疑の時間には多くの発言がありました。
制度としては男女平等のはずなのに、何故現実はそうなっていないのか、一人ひとりの意識の問題、文化的・宗教的な背景の問題、「家事を手伝う」という表現の問題など。
時間があればもっと多くの発言があったのではと思いました。