

130頁。頒価500円。是非お求め下さい。
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「バトンタッチ」第9集に寄せられた感想
大曲在住のYさん(女性・60代)
バトンタッチを読みましたが、感動しました。
筆者はほぼ少年少女時代に見た戦争の姿。だから、とても素朴。
戦争を知らない私たちと言っても、親は戦争体験があるはず。あまり語らないとはいえ、何かを遺していると思います。
この9号が終わりにならないよう、私たちも語り継いでいかねばと思いました。
貴重な本をありがとうございました。
第9集に寄せて(全文)
第8集の発刊(2017年)から7年経過して第9集の発行となりました。この間、世界の情勢は激動し私たちの生活に大きな変化をもたらしました。
2019年の暮れ、中国武漢で発生した原因不明の肺炎患者が新型ウィルスに感染していることが判明、それがコロナウィルスとして瞬く間に全世界に感染・拡大していきました。日本では2020年4月、「緊急事態宣言」が発せられ、私たちの生活・人間関係・働き方に大きく影響を与え、ライフスタイルの変化を余儀なくされました。
世界の平和を希求するもロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの攻撃など戦火が絶えません。国連は安保理事会が大国の横暴で機能していないものの、総会を中心に平和へ粘り強い活動が続けられています。更に核廃絶の願いは未だ実現せず、唯一の戦争被爆国として日本の果たす役割は大きい。せめて核兵器禁止条約に日本政府はまずオブザーバー参加をして、条約締結国と同じ方向を向いていると国際社会に示すべきです。
国内では、アベノミクスの失政による異常な円安株高・物価高騰、安倍元首相の銃撃死事件、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件等の政治不信が増しました。対米追従の安全保障関連法の制定から安保関連三文書も改定され、専守防衛の原則が形骸化し「戦争ができる国」へと動きつつあります。揺らいだ平和主義の理念を国の基盤として鍛え直し、「新しい戦前」への歯止めをかけなければなりません。
2004年に呼びかけ人9名で発表された中央九条の会の「アピール」を受け、2006年設立した「北広島九条の会」は誕生して18年になり、「憲法9条改悪を許さない・憲法9条を守る」を柱に活動をして参りました。戸別配布している「九条だより」は200号、例会講演会100回、まなび座は100回をそれぞれ超え、総会は十八回目を迎えました。又、コロナ禍の為中断していた「戦争遺跡巡り」は昨年から再開、今年十二回を数え、「平和のうたごえ喫茶」は再開検討中と多岐にわたる活動を続けております。
毎年八月十五日の終戦の日が近づくと、報道機関は一斉に終戦の特集を組みます。今年私が注目したのは、北海道新聞が三日間連載した『昭和の語り部 | 半藤一利(2021年90歳で死去)の伝言』です。妻末利子さん、盟友保阪正康さん、ジャーナリスト青木理さんがそれぞれの思いを語りました。そのなかで青木さんは、半藤さんが指摘した「戦争に向かう社会の6つの兆候」が強く印象に残ったと触れています。
それは、①被害者意識と反発が国民にあおられる②言論が不自由になる③教育が国粋主義に変わる④監視体制が強化される⑤テロの実行が始まる⑥ナショナリズムが強調される、というものです。まさに現代を生きる私たちへの警鐘であると考えます。
最後に戦後七九年が経過し、戦争の記憶が風化してゆくなか、この度も多くの市民から貴重な戦中・戦後を体験した玉稿を頂きました。ありがとうございます。これまでも「憲法第九条」の改悪が叫ばれ、そして今も自民党を中心に右派の動きが強まっています。私たち北広島九条の会は、一歩も引かずに「第九条」を守る意志を確認し、世界の新しい「国」の理想を先取りした「憲法第九条」の誇りを、子どもたちの明日へしっかり手渡したい。この小冊子が「平和から平和へのバトンタッチ」、その一助になればとの思いで編集しました。
2024年12月 「バトンタッチ」編集委員会 八島 将