第13回総会「記念講演会」開催

10月14日(祝月)芸文ホール活動室において、75名の市民の皆様の参加で、第13回総会と記念講演会を開催しました。

オープニングの様子と講演の概要をご紹介します。

<オープニング>

札幌市清田区にある朝鮮学校の生徒さん3人に民族伝統舞踊の実演を行っていただきました。
このような企画は当会としては異例ですが、この間の北広島九条の会の例会において過去から現在に至る日朝関係・日韓関係の問題と日本国憲法との関連を学習してきた経緯を踏まえ、日本国憲法の国際平和の理念を、市民レベル、地域レベルでの交流を深めることで実践しようと企画したものです。


高校生の3人は、色彩豊かな民族衣装に身を包み、笑顔を絶やさず、しなやかで華麗な舞踊と、太鼓の演奏を交えた見事な演技を披露してくれました。
来てくださった生徒さん、先生方に心からの感謝を申し上げます。

 

<記念講演>

今年7月の参議院選挙の結果、参議院における改憲勢力は、発議要件である三分の二は下回ったものの依然として多数派であり、選挙公約に「憲法改正をめざす」と掲げていた自民党は強気の姿勢です。また、安部改憲に反対している議員の取り込みも危惧される状況です。
このような中、「今、憲法を考えるー憲法に自衛隊が明記されたら何が起こるか」という演題で、上田文雄さんにお話を伺いました。


従来の自民党改憲草案に比べ、9条2項を残したまま3項に“自衛隊”の存在を書き込むだけという安倍改憲案は危険性が少ないのか?“自衛隊違憲論に終止符をうつ”を加憲理由にして、“頑張っている自衛隊員に気の毒”と感情に訴える戦略の安倍自民党ですが、その裏に隠された危険性を教えていただきました。


2項の条文は残しても、実際は、“戦力不保持・交戦権否認”をうたう2項と自衛隊との整合性は疑問で、結局は「後法優位の原則」により2項は空文化・死文化することになります。2015年に強行採決され、その違憲性も疑われる安保法制下の自衛隊は、役割も拡大され極めて危険な活動に身をさらすことになります。専守防衛を越えた攻撃型の兵器が次々装備され、軍事予算は倍増して財政を圧迫し福祉予算を削ります。貧困問題が深刻化し「経済的徴兵制」が進むことが考えられます。監視社会が強化され、市民の自由・民主主義・基本的人権は制約を強いられていくでしょう。これまでも、特定秘密保護法、共謀罪などを強行成立させてきた政府と国会の状況から考えて、一度改憲を許してしまうと、連鎖反応的にさらなる改憲、加憲が進められていくに違いありません。


さて、このような改憲(=壊憲)勢力にどう対抗していくのか。
上田さんはこれまでも、「不許壊憲」を掲げてのデモやパレード、野党共闘や統一候補の擁立に奮闘し、実績をつくってこられました。その上田さんから私たちにむけて提案がありました。


今の政府は、敗戦時に連合国から「押しつけられた平和主義」にしぶしぶ従った権力者たちの末裔であり、「戦後レジームからの脱却」「美しい日本を取り戻す」などの言葉で平和・人権・民主主義の破壊をもくろんでいます。横暴な国会運営、権力の私物化、権力犯罪の隠ぺい工作を許してはなりません。


私たちは、自由を獲得してきた苦難の人類史に学び、マレーシアのマハティール首相に「世界のすべての憲法に9条があるべきだ」と言わしめる日本国憲法の9条、そして、前文にあらわされた本当の意味での積極的平和主義の理念を実現化すべく、具体的行動をとりましょう。
世界から信頼と尊敬を得ることが、日米同盟による抑止論より有効です。平和を守るためにできることは何かを考え、政府に働きかける国民運動が今求められています。

 

<ご紹介>
10月17日付「北海道新聞」北広島のページに、上田さんの講演についての記事が掲載されました。