第8集に寄せて

 第7集の発刊から2年を経過しました。
 第7集の編集子は、「折から、この年(2015年)に日本は、戦争のできる国へ大きな転換が行われようとしています」、「今、私たちはちょっと立ち止まり、過去を振り返り、これからどう生きて行くのか、国の方向を皆で考えていきませんか。」と警鐘を鳴らしました。
 2015年9月19日、この日国会ではあの「戦争法」(安保法)が強行的に採決され、違憲の法が成立しました。そしてその時と同じ光景が今年またもや繰り返されました。「共謀罪法」が2017年6月15日に「委員会審議を省略する」という民主主義の議会制度では考えられない数をたのみの謀略的な手法でもって成立させられたのでした。この民主主義無視と議会主義の蹂躙に、国民は怒りを込めて立ち上がりました。市民連合が2015年12月20日に産声を上げ、「市民と野党の共闘」がすすみ、かってない運動が始まりました。同時に「森友」「加計」疑惑での「アベお友達」による国政私物化が明らかになり安倍自公政権は窮地に立たせられたと言っていいでしょう。
 そしてもうひとつ、こんなことがあっていいのか、と思わずにはいられない出来事がありました。国連がこの夏、歴史的な「核兵器禁止条約」を採択しました。人類史上の快挙といっていいこのことに、唯一の被爆国である日本の政府は、「会議に参加せず、条約の批准はしない」との態度を取り、世界の失笑を買いました。安倍首相は、日本の被爆者に「あなたはどこの国の首相ですか」と詰め寄られました。
 いま声をあげようと、ここ北広島でも「市民連合北広島」が2016年2月に結成されました。安倍暴君にもう黙っていることはできないと市民が一歩を踏み出したのです。「市民と野党の共闘」が日本全国いたるところで「希望の星」になっています。
 
 北広島九条の会は、創立以来、ことしで満十周年を迎えました。
 「憲法九条を守る」この一点で始まった運動は、北広島市の市民運動として稀有の役割を果たしてきたのではないかと、思っています。会が発行する「九条だより」は毎月有志による宅配で、800戸を超えるお宅に届けられています。ことし10月で118号を迎えました。毎年5月3日の憲法記念日に行う「うたごえ喫茶」は10回目となり、8月の「北広島の戦争遺跡を巡るツァー」は8回目となりました。また、輪読しながら学ぶサークル「まなび座」は憲法の学習を重ねて47回を数えました。これも市民の皆さんの励ましがあってと心から感謝申し上げます。
 こうしたなかで「九条の会」の運動は、2015年の「戦争法」以来、大きな転機に差し掛かっています。「九条」を事実上意味のないものにしようとしているのが、安倍首相の「九条に新たな項を加えて自衛隊を明記しよう」というものです。この秋にも自民党の改憲草案が出されそうです。三分の二を占めているいまこそと安倍暴君は「九条破壊」を狙っています。
 これを許さない、市民の運動をぜひとも推進していきたいと心から呼びかけます。     

    2017年10月
                              「バトンタッチ」編集委員会